少年法の目的



少年法とは

少年法とは、非行少年に対して性格矯正や環境調整などに関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする法律です。

簡単にいえば、少年に対して家庭裁判所がどのような手続きでどのような処分をするかを決めた法律です。

なお、「少年」とは、二十歳に満たない者を指し、男性/女性も含めて少年と定義されます



少年法による治安維持の効果

少年法は少年に対して更生の機会を与える役割となります。

少年法があることで、少年は犯罪の前歴が将来的な人生のハンディーとならずに普通の社会生活が送れます。

更生の機会を与えることが、再犯の予防して社会秩序の安定を図り、次の被害者を出さないことにつながります。


窃盗など多くの少年事件では保護観察、または少年院送致などの保護処分となります。

保護処分なら前科とはなりませんから、例えば公務員や弁護士といった資格取得に制限もありません。

少年時に事件を起こした人が更生して弁護士になるといったことも存在します。


もし、少年法を廃止して「全て成人並みの刑罰を与える」や「氏名等を原則公表」などとしたら、社会全体で考えると、犯罪は増加して治安が悪化する可能性があります。

少年法を廃止されると、全ての少年が事件を成人同様に裁かれることになります。

その場合、将来犯罪歴がもととなって社会生活に大きな支障が出る可能性があります。

更生の機会を与えないことで、資格取得など様々な面で支障が出てしまい、働くことさえも出来ずに、結局は窃盗などの犯罪に走らざるを得なくなる人が数多く出ます。

また、対人関係のトラブルを抱えることも多くなり、殺人・傷害など凶悪事件に発展する可能性も高くなります。


「どうせ少年法で罪は軽くなる」は間違い

少年による凶悪事件が発生すると、「少年法をより厳罰にするべき」や「少年法を廃止するべき」という発言が聞こえてきますが、それは根本的に間違っています。

14歳以上で殺人など凶悪事件を起こせば地方裁判所に送られ成人と同等の裁判で、成人同様の手続きに基づいて処罰されます。


例えば「名古屋アベック殺人」や「コンクリート殺人事件」の加害者少年は、逆送されて全て成人同様の手続きで進められて刑事罰も受けています。

「18歳未満の者に対して死刑判決を言い渡せない」以外は全て成人と同じ条件です。

ちなみに、名古屋アベック殺人の主犯少年には1審では死刑判決が言い渡されています(後に控訴して無期懲役刑が確定)。


日本の場合は18歳未満の死刑判決は無期懲役に減刑されますが、これは終身刑に相当します。

強盗殺人罪は死刑と無期しかなく、犯行に情状酌量がない限り仮釈放は認められません。

なお、仮釈放とは無期刑の場合はあくまでも「仮」です。

少年で死刑判決を受ける場合は、ほとんど情状酌量はない状況といえます。


18歳未満に対する死刑執行

18歳未満に対する死刑執行は、国際法(児童の権利に関する条約37条)によって禁止されています。

少年法を廃止しても、少年に対する死刑執行は決して行われません。

18歳未満を死刑にするには、国連を脱退して世界中から非難を浴びる状況となります。

そのような状況では、生活水準の急落によって治安維持または社会維持は少年法を廃止する以前より悪化することは明らかです。


「少年法があるから未成年の犯罪がなくならない」は正しくない

「被害者がかわいそうだから」などという感情論的な理由で少年法を廃止する声がありますが、これは正しいとはいえません。

少年法は非行少年に対しては厳しい法律です。

少年法は更生と教育を目的としていることから、厳密には犯罪といえない家出常習の非行少年を家裁審判を受けさせて、少年院に送ることができます。


例えば大人が暴走行為を行って逮捕されても、弁護士を呼ぶこともできますし、実際には違反キップを切られて1日で帰れます、

しかし、少年が暴走行為を行った場合は、補導され、鑑別所に送られ、非行の精神鑑定を行います。

家裁の少年審判を経て少年院送致ということもあります。

また、弁護士を付ける事は出来ません。

また、いじめを例にすると、成人の法律では被害者が告訴しない限り逮捕する出来ませんが、少年法を適用すれば補導することが出来ます。


少年法批判は人権派弁護士会の世論操作という背景もあります。

「最近は、少年犯罪の凶悪化に歯止めが効かない」という声がありますが、統計的には少年犯罪は減少傾向にあります。

警察庁の「犯罪統計書」によると、少年による凶悪犯罪は1969(昭和44年)まで年間200件以上発生しており、その後は年間100件程度に減少しています。

情報通信が未発達の状況では、報告されない事件はより多いといえます。


少年の実名報道に関して

凶悪犯罪を犯した少年を実名報道してはいけないと言う法律は少年法にも日本の法律にもありません。

少年法が実名報道を規制してるのはあくまでも非行行為で家庭裁判所に送られた少年審判だけで、凶悪犯罪など地方裁判所に送られた刑事事件まで禁止していません。




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